いじめに対処する新しい民間機関「いじめ被害救済機構」

背景

現代においても、非常に多くのいじめ問題が起きています。
とりわけ、小中学生の問題は深刻です。

“子供同士のじゃれあい”と認識されたり、
学校サイドはいじめの存在そのものを否定することがあります。

被害者は弱い立場であることが多く、自力でいじめ問題を解決することが難しい場合がほとんどです。

いじめの件数

2023年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満)は1435万人
現在でも68万人の被害者が存在しています

小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は681,948 件であり,児童生徒1,000 人当たりの認知件数は53.3 件である。
引用:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

現状の救済機関

■法律側面
いじめ防止対策推進法により、学校・教職員・保護者に対し、いじめの防止措置を求めています。

第三条 いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。

第七条 学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。

第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。

第九条 保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する児童等がいじめを行うことのないよう、当該児童等に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるものとする。

■児童相談所
いじめ問題の相談・通報を受け付けています。

■警察
刑法等で処罰の対象になる犯罪行為が含まれるいじめの場合、警察に通報することができます。

■学校
先に挙げた「いじめ対策推進法」により、いじめの報告を受けた学校は、いじめの内容次第で、警察との連携を視野に入れた対処をする義務があります。

第二十三条 学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。
2 学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。
3 学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。
4 学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。
5 学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。
6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

■弁護士
いじめは不法行為に該当する可能性が高く、損害賠償請求を行うことが出来ます。

■親からの相談を受付する機関

  • こどもの人権110番
  • インターネット人権相談受付窓口

■子どもからの相談を受付する機関

  • 24時間子供SOSダイヤル(教育委員会へ) 
  • 都道府県警察の少年相談窓口 (警察へ)
  • 児童相談所全国共通ダイヤル (児童相談所へ)
  • 一般社団法人日本いのちの電話連盟  
  • チャイルドライン  
  • 少年サポートセンター 

これほどの相談機関がありながら、なぜいじめ問題が対処されにくいのか

多くの救済機関が存在していてもいじめが無くならない理由。それは事後の対処が基本となるためです。

仮に相談機関に相談したとしても
結局は学校や警察への連絡にとどまるのが多く見られる現状です

加害者は少年法で守られるため、大人同士の傷害事件とは扱いが異なります。
被害者に深刻な被害が生じた後でなければ警察の強い介入を期待することは難しいのです。

学校に通報したとしても・・・
「犯罪行為にあたるいじめはない」
「いじめの事実がない」
という調査結果の場合、大きな改善の一手は見込めません。

鍵となるのは「しっかりと証拠を集め、いじめの存在や被害レベルを否定させないこと」です。

「いじめ被害救済機構」の提唱する改善案

いじめ被害救済機構は学校への相談と別の新しいアプローチを推進します。

【アプローチ1】学校の協力を得やすくする為の、証拠集めの支援

  • 学校調査の進捗を問わず、まずは証拠集めを支援します。
  • その証拠の存在は、いじめ被害者の学校への通報・連絡を支援します。これによりいじめの存在を否定させない、被害レベルを実態よりも小さく評価させる事を防ぐなどの効果を期待できます。
  • 必要に応じて弁護士との顧問契約を支援します。これにより、調査段階におけるいじめ被害者のストレスが軽減されます。被害児童の窓口が弁護士となり学校との話し合いを行うためです。

【アプローチ2】公の機関に問題を提起

もし学校側の調査の結果が実態と乖離していた場合には、次のようなアプローチを行います。

  • 迅速に、加害者及び保護者への民事訴訟の提起を行う
    訴訟の目的は、クローズドないじめ問題を公の論点とすることです。次のような展開が可能となります。
    • 学校側に対して、訴訟の事実を元に、再調査を要求する。
    • いじめ加害者とその保護者が危機感を抱く事により、いじめ行為が一時停止する
    • 「子供同士の問題か、親が介入すべき問題か」という議論が終わりますので、いじめ加害者側との直接的な解決を模索することが出来る。

ここまでのアプローチで、少なくともいじめ問題が放置される事はなくなると想定されます。その上で尚、解決に進まない場合には、必要に応じて次の支援を行います。

【アプローチ3】法的措置

  • 学校に対する訴訟の提起
  • 警察に対する刑事告発
  • 加害児童もしくは被害児童への転校の支援。金銭的な支援を含む。

【アプローチ4】メンタルケア

ここまでのアプローチは「いじめの停止」を目的とした支援でした。その後は「解決」を目的としたアプローチを実施します。

  • 被害児童、加害児童の双方に対して、心的外傷の側面からカウンセラーによるケアを行う。(月次の周期にて、収束後1年を目安とする)
    加害児童も大きな事と思わずにやりすぎてしまった、その後の後悔等で悩むことがあり得ます。急に大人が法的な手続きを取ってきたことによりショックを受ける事もあるかもしれません。その為のケアとして、専門家であるカウンセラーによるケアを提供します。
  • 被害児童に対する定期的な状況ヒアリングを行う。(月次の周期にて、収束後1年を目安とする)
    再発防止を目的とし、継続的にモニタリングいたします。
  • 再発時には、再度の対処アプローチを実施する。

被害児童及び保護者への支援を完全無料で行います。

これらのアプローチは、どなたでも選択することの出来る手段です。

冷静に考えますと、学校側は「相談」に対しては「相談を受ける」スタンスで動きます。そうしますと、初手は「相談内容が事実か否かの検証」となります。事実確認のプロセスには時間がかかります。加害児童とされる側にも、公平に客観的にヒアリングを行うしかなく、そこには認識違いや感情論からの事実と反する証言などが交じることになります。
学校側がいじめの事実を認定しないケースが目立つのも納得ではないでしょうか。
事実確認が済むまでの間にかかる時間は、被害児童にとって耐え難いものと容易に想像できます。

これに対し、興信所を雇う等していじめの事実を客観的に事実関係を証明し、そのうえで「通達・通報」という形で動くならば、学校側は初手から「第三者から認定された事実を元に、解決のための動き」をすることができます。

しかし現実的には金銭的な壁が立ちはだかり、積極的に活用されてきませんでした。しかし今後はその心配はいりません。

その理由は、当団体では、被害児童及び保護者への支援を完全無料で行うからです。

興信所への依頼費用、弁護士費用、場合により訴訟費用が掛かりますが、そのすべてを支援します。一切の費用を請求いたしません。

なぜ完全無料で支援を行うことができるのか

当機関は、虚偽の依頼でない限りは、被害児童から費用をいただきません。事業は次の収益により運営いたします。

  • 全国の「サポーター」により運営費用が賄われる
  • 被害の程度によっては、加害児童に対しての損害賠償請求を行い訴訟費用の実費を賄う

かつていじめの被害に遭っていた方、またいじめる側に居た事のある方、またいじめられる様子を助ける動きができなかった事で後々で後悔に苛まれる方もおられます。当団体及びサポーターの皆が願うのは、いじめで苦しむ人達をいち早く助けることです。

活動実績及び今後の予定

2023年12月:任意団体発足【完了】
2024年 4月:一般社団法人設立予定

■現在の対応状況(2024年1月15日現在)

対応完了:1件
対応中:3件

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